様々なウイルスの影響を受けやすくなった昨今。
いまこそ私たちは本気で自分の身体について知り、できるだけ「自分の健康は自分でまもる」意識を高めていかなければならないでしょう。
さて、ここで、
・自分の身体について知ること
・自分の健康は自分でまもること
・ポスト ・コロナの新しい生き方を考えること
これらは全てつながっていて、その答えを導くヒントが「自分の身体の中に今も昔も存在していた」としたら驚かれるでしょうか?
それは「腸内細菌」という微生物の世界のことであり、この腸内細菌の場、腸内細菌叢(そう)のあり方に上記の答えが明確に存在しているのです。
腸内細菌の真実
21世紀になって、腸内細菌の重要性はヨーグルトや乳酸菌飲料の普及によって一般的になってきました。
腸内細菌には善玉菌と悪玉菌がいる、ということで善玉菌を増やしましょう!という情報が広く認識されました。
しかし、今やその理解では不十分なところがあります。
本当の腸内細菌の重要性に気がつくときがやってきたのではないでしょうか。
真実には深い叡智が隠されています。
私たちの身体の中には、300種類もの腸内細菌が何と100兆個も存在しています。
全部の合計重量は1キロほどになります。
それらが、私たちの腸の中に隙間なくぎっしりとひしめき合っているのです。
医学の父、パスツールは言いました。
「人間の体内に生息している細菌は我々の生存にとって必要であり、これなくして生命の維持は困難である」と。
腸内細菌は、例えば
・消化吸収を助ける
・ビタミンやホルモンなど有用な物質をつくる など、
私たちの食事からとった栄養分を利用してその代謝の結果、さまざまな生理活性物質をつくり出します。
腸内細菌の知られざる働き
具体的には、上記のほかに……
脂質代謝、酵素の活性、代謝全般、細菌に対する抵抗、薬物の代謝、発がん物質の分解、腸内Phの安定、蠕動運動の活性…などがあります。
実は体内の免疫力の70~80%は腸内で発揮されています。なぜなら、血管や細胞が存在する真の体内との最後の砦だからです。
これだけでも腸内細菌の働きを無視できませんよね。
しかし一方で、腸内細菌の中には、
・有害物質をつくったり
・損傷を与えるようなことをしたり するものもいます。
これらの腸内細菌が常に私たちの身体の中であたかも戦国時代の戦合戦のように陣地を取り合っています。
これを具体的に腸内の環境で表現すると、発酵環境に導くか(→健やか)腐敗環境に貶めるか(→不調)ということになります。
腸内細菌のコンディションに私たちは左右されている
このように腸内細菌は私たちにとって良いことだけでなく重い不調につながるような働きも見せる場合もあって彼らのあり方がダイレクトに私たちのコンディションを左右しています。
つまり私たちは“腸に生かされている”ともいえるのです。
では、腸内細菌がつくる腸内環境がどうあれば私たちにとって一番理想的なのでしょうか。
それは先の発酵環境への方向性であり、それは全ての腸内細菌のあり方が「共生」状態にあることです。
どちらにも傾くことはなく、常に中庸の状態が健やかさへの道です。
一般的に私たちは、善玉菌、悪玉菌といって善悪の二元論で腸内細菌の世界を捉えがちです。
しかし、事実はそんな単純ではなく、その他にも、日和見菌という立場の腸内細菌もいて腸内では実に複雑な競合関係が成り立っています。
一方、悪玉菌と言われる大腸菌の中にはバランスのくずれた状況を改善するために働くものもいたりするので、悪玉菌とレッテルをはられた存在=必ずしも本当に悪であると一概に善悪の基準で判断できないのです。
これは自然の法則がこのような成り立ちをしているからです。つまり、これが宇宙の法則の反映された姿ともいえるでしょう。
ということは、互いに駆逐し合うのではなく結論として、腸内細菌が高度に「共生し合っている」状況がベストだということになります。
腸内環境は私たちの日常生活にかかっている
理想的な腸内環境には、非二元論が昇華された中庸の統合状態が現実として存在するのです。共生という形を通して……
これは私たちの真のあり方に対するメッセージといえないでしょうか。
興味深いのは、どの腸内細菌もただその役目を果たしているだけということ。
つまり腸内環境は、腸内細菌の宿主である私たちが日常で、どのようなスイッチを押すかにかかっています。
例えばどような食生活や生活習慣をしているのか?ストレス状態はどうか?など。
腸内細菌が教えてくれるこの共生、真のバランス、統合という価値観がまさにポスト・コロナの先にある私たちが本当に到達したい社会への創造につながっている、それを象徴している…そのように思えてきませんか?
腸内環境を整えるためには「共生」
では、私たちの腸内の環境を整えるにはどうしたら良いのか…
その一つに腸内細菌を共生の方向へ導くこと。
迷惑な影響を与えるウイルスを寄せ付けない元気な腸を手にすることです。
とはいえ、食生活を大幅に変えたり、ストレスゼロの生活を送るのは、現実的には難しい中で私たちは生きています。
それに配慮しつつ、共生を目指した腸内細菌の活性化を日々の中で行っていくことが理想的だと言えます。
発酵食品を毎日の食事で食べたり、腸内環境サプリメントなどを上手に活用して、イキイキとした腸をキープしましょう。
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